「HUG」徹底解説!避難所運営をゲームで疑似体験してみよう

避難所HUG
ニッカ

今回の記事では、わたしが実際に中学校や地域の防災訓練で講師をしている、避難所「HUG」についてお話しします(=゚ω゚)ノ

この記事でわかること
  1. 避難所HUGはカードを使って避難所の運営を模擬体験するゲームです
  2. HUGを行うのに必要なもの
  3. HUGの詳しい手順について
目次

避難所HUGとは

避難所HUG」は、カードを使って避難所の運営を模擬体験するゲームで、

Hinanzyo(避難所)
Unei(運営)
Game(ゲーム)

避難所運営ゲームの頭文字を取ったもので、英語で「抱きしめる」という意味から、避難者を優しく受け入れる避難所のイメージと重ね合わせて名付けられました。

避難所運営をみんなで考えるためのひとつのアプローチとして、静岡県が開発したものです。

避難者に見立てた、年齢、性別など細かい情報が書いてあるカードを、避難所に見立てた平面図上へ配置(避難)させながら、イベントカードに書いてある、避難所で起こりうる様々な出来事に、みんなで話し合い決断しながら対応していきます。

開発元: HUGのわ
避難所HUGは、静岡県の登録商法です。

◆ 小さいスペースで避難所運営の模擬体験ができます。
◆ 避難所で起こりうる問題を考える機会になります。

HUGを行うために必要なもの

避難所HUGのカード
避難所HUGで使用するカード
  • カード(HUGのわで購入できます)
  • 平面図(取扱説明書から体育館、教室、敷地図、間取図をコピーしたものか、実際に使う避難所の敷地図と間取図)
  • 備蓄品リスト
  • マジックペン(人数分の黒いマジックペンとカラーマジックペン6色か12色を1セット)
  • メモ用紙(A4サイズのコピー用紙がおすすめ)
  • 付箋(細いものと大きめのものを2色ずつ)
  • 模造紙かホワイトボード
  • セロハンテープ
  • タイマー

自主防災組織のメンバーや学校などで体験会を実施する場合は、実際に使う避難所の敷地図と間取図を平面図に用意するのがおすすめです。
その場合は、カードが縦2m×横1.5mの設定なので、その縮尺に合わせて平面図を作成します。

HUGの流れ

避難所HUGの様子
平面図に避難者カードを設置している様子
避難所HUG掲示板の様子
掲示板に周知する内容を貼り付けます

ゲームは、数人1組のグループを何組か作って行います。
1グループにつき、読み上げ係を除いて6人~8人くらいが推奨人数です。

長机3つを並べて作ったスペースの上に、平面図を広げてゲームを行います。
机の上に新聞紙を敷いておくと、汚れないのでおすすめです。

STEP
ゲームのルールと設定条件を説明する(10分程度)

はじめにHUGのセットに付属されているCDディスクをプロジェクターなどに映しながら、ゲームのルールを説明します。
あらかじめ決めておいた避難当日の設定条件(災害の詳しい状況、気象条件、季節、時間帯など)と、プレイヤーの立場の設定が、地元の自治会・自主防災会の役員だということを説明します。

STEP
グループ内でアイスブレイク(自己紹介)をする(5分程度)

A4サイズのコピー用紙を使ってグループの中で自己紹介をします。

  1. 用紙を縦1回、横1回に折って、4つのマスを作ります。
  2. その4つのマスに、名前とあらかじめ決めた自己紹介する内容(趣味等)を3つ、グループのみんなに見えるよう大きな字で書きます【所要時間1分】
  3. 順番(時計回りか反時計回り)に1つ目の内容を見せながら1人ずつ発表し、1周回ったら2つ目の内容をまた順番に発表するといった具合に、4周で全員が全部の内容を話し終えるようにします【所要時間4分】
  4. 1人が話し終えるたびに拍手はせず、4周目最後の人が話し終えた時点で拍手をして、アイスブレイクの終了です。

アイスブレイクという手法で、簡単な自己紹介を通じて、参加者の緊張とグループ内の親睦を深めることが目的です。
省略せず、HUGの一環として行うようにしましょう。

この時にタイマーを使って時間を計りながらすると、長話防止になるのと、時間内に終わらせる訓練にもなります。

STEP
進行役と役割分担を決め、備蓄品と設定の確認

HUGはカードを読み上げながらゲームを進めていくので、1人読み上げる進行役が必要です。
進行役は、ゲームの進行やアドバイス役をするので、HUGの経験者が理想です。

次に、プレイヤーの役割分担を決めます。

役割分担(例)

  • リーダー:全体をまとめる役。自ら動くのではなく、みんなに的確な指示をしていく。
  • 受付け:避難者をリスト化していく係。
  • 掲示板係:周知することを掲示板に書き込んでいく係。
  • 誘導係:避難者を適切な場所へ誘導する係。
  • 渉外係:行政など外部からの要請に対応する係

グループの人数によりますが、リーダー以外は2人ずつが理想かなと思います。

ゲーム開始前に、再度設定の確認と、備蓄品にどんなものがどれだけあるかをリストで確認します。

STEP
ゲーム開始(60分程度)
  1. 進行役がカードを読み上げながら、ゲームを進めていきます。
    最初は、1番から15番までのカードを一気に読んで、プレイヤーが見えるように机の上に出します。
    避難者カードを読むときは、必ず1世帯1セットで読み上げるようにします。
  2. 15番までのカードの中に「誰ともなく受付を作ろうと言った」というイベントカードがあるので、そのタイミングで受付を体育館などの平面図の中に場所を決めて設置します(マジックペン等で書き込む)
  3. プレイヤーは、色んな状況でやってくる避難者を適所に配置しながら、イベントカードに書いてある行政からの要望や様々な出来事に対応していきます。

カードは縦2m×横1.5mの設定で、これは、避難所で必要な一人分のスペースを表しています。

進行役のコツ

  • 臨場感を出すため、プレイヤーが前のカードを配置し終わる前に次のカードを読み上げる。
  • 体育館の中に通路を作るように促す。
  • カードの中だけの情報では理解しにくい事柄には、例を出してアドバイスをする。

各役割の仕事(例)

  • リーダー
    皆に指示を出します。
    自らが動かず、それぞれの役割りの人がスムーズに動けるように指示を出していきましょう。
  • 受付
    コピー用紙に避難者を地域ごとに分けて記入しリスト化していきます。
  • 掲示板係
    大きめの付箋に周知することを1枚につき1つずつ書いて、掲示板に見立てた壁に貼った模造紙か、ホワイトボードへ貼っていきます。
    避難者向けと、運営側向けに分けて貼り付けていくのがコツです。
  • 誘導係
    避難者カードを適当なところへ配置していきます。
    妊婦さんや、病気の人、ペットを連れた人・・・色々な事情を抱えた人が避難してくるので、テキパキと対応します。
    車やテントは、細い付箋を利用します。
  • 渉外係
    行政やマスコミなど外部からの要望に対応します。

カードをすべて配置するか、終了時間が来たら終わります。

STEP
振り返りの時間(30分程度)

ゲーム終了後は、意見交換をする振り返りの時間を設けます。
グループがいくつかある場合は、お互いのテーブルを見て回った後、比較しながら意見交換を行います。

以上で終了です。
みんなでカードを順番に並べて、お片づけをしましょう。

まとめ:避難所HUGは、色々な気付きを得られます

ニッカ

避難所の模擬体験だけど、色んなイベントカードがあって大変だったよ

ユズ先生

色んな意見を出し合いながらゲームを進めていくと良いですね

実際に災害が起きた時に、HUGで訓練したように避難所を運営できるかどうかはわかりませんが、避難所の運営の大変さや、起こりうる事例を体験することによって、色々な気付きを得る良い機会になると思います。

また、グループによって、避難所に作る通路もそうですが、意見や結論が本当に多種多様で、いつも勉強になります。

ぜひ、あなたの地域でも避難所HUGに挑戦してみてください(*´ω`*)

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この記事を書いた人

ニッカのアバター ニッカ 日本防災士機構認定防災士

阪神淡路大震災を18歳で経験。
2017年から防災士として地域で活動しながら、人とのつながりの輪を広げています。
日常で常に防災を意識し、生活に根差した防災を目指し、日々模索中。

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